阪神甲子園球場がある兵庫県西宮市は朝から雨が降り続き、選抜高校野球大会出場校による甲子園練習第2日(15校)はグラウンドを使えず、室内練習場に。21世紀枠で初出場の3校にとっても残念な雨となったが、「天気掌握班」がある熊本西は「想定内です」と慌てた様子がなかった。
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三塁側室内練習場は投手用ブルペンに沿って、ネットで細長く2カ所に区切られている。熊本西は投手陣がそれぞれで投球練習し、うち1カ所は打者がその球を打ち返す練習などをした。
最後は試合後のあいさつ、勝利校の校歌、応援席へのあいさつを想定したイメージトレーニングをして規定の1時間を終了。横手文彦監督は「1回戦の相手は智弁和歌山と強豪だが、0・1%でも可能性があるなら最大限の準備をしようと考えた」という。
同校には「天気掌握班」や「部室管理班」「活気向上班」など13班があり、部の運営をしている。「天気掌握班」の浜口智紀と後藤真成(ともに3年)は1週間前からインターネットなどで西宮市の天候をチェックしていたという。「18日(前日)に雨の可能性があるという予報だったが、ずれる可能性もあると考えていた」と後藤。
通常は予報を他の班に早めに伝え、練習メニューの変更を促したり、「ウェート班」にジムの予約を進言したりするという。「甲子園練習も雨なら室内練習場ということで2通りのメニューを考えるようにした」と浜口。ネット上の動画などで室内練習場を下調べして準備したが、「思った以上に狭かった。この経験は試合当日の試合前練習にいかせると思う」と語った。
地元では熊本市内にある金峰山(標高665メートル)に雲がかかる様子なども見て天候を先読みするという2人。1回戦が予定されている28日の天候については「まだ1週間以上あるので週間予報も出ていませんが、きっと晴れると思います」と笑顔で口をそろえた。(編集委員・安藤嘉浩)