箱根駅伝で「山の神」と呼ばれてから4年あまり。青学大で天下の険に挑んでいた神野(かみの)大地(25)=セルソース=の視線はいま、東京五輪へ向けられている。「ようやくマラソンランナーとしての成長を実感しているんです」。3月の東京マラソンで五輪の選考レースとなるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を獲得。走法の解析で、なぜ「山の神」と呼ばれる走りになっていたのか気づいたという。
【動画】東京五輪のマラソン出場を目指す神野大地選手=藤原伸雄撮影
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東京マラソンは自身5回目のフルマラソンで「五輪に向けたラストチャンス」ととらえていた。
だが、16キロ付近で1キロ3分ペースの先頭集団から脱落。「今日もダメかな」と不安が頭をよぎった。それでも粘り、終盤に次々と前を走るランナーを追い抜いて2時間11分5秒でフィニッシュ。ワイルドカード(上位2大会の平均タイム)でMGC出場権を獲得した。これまでレース中に襲われていた腹部の差し込みもなく、「35キロ過ぎてから、初めてマラソンが楽しいと思えたんです」。
大学3年だった2015年の箱根駅伝。5区の坂道を驚異的なスピードで駆け上がり、青学大初の総合優勝に貢献。「3代目・山の神」と呼ばれた。卒業後に入ったコニカミノルタを約2年で退社し、プロランナーに転向。本格的にマラソンに挑戦したが、結果を出せないでいた。
そんな神野が、初めてレース後…