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元号またぎのV「狙えるのはうちだけ」東邦、令和の夏へ

平成最初と最後の選抜高校野球で優勝した東邦の監督 森田泰弘さん(60)


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平成元(1989)年の選抜高校野球大会を制した東邦(愛知)が平成最後の大会で優勝した。チームを率いた森田泰弘監督(60)は、部員らに「自分流を作れ」と説き、自分に何が必要か、自ら考え、練習方法を考えさせる指導を続けてきた。昨年末、腎移植の手術のためチームを2カ月離れたが、その間の選手の成長ぶりに手応えを感じていた。


「本当に果報者だと思います」。平成最初の春優勝校が成し遂げた快挙に、興奮気味に語った。


「バンビ」の愛称で親しまれた坂本佳一投手を擁する東邦が準優勝した1977年夏の大会で主将。83年に母校のコーチに就き、89年の優勝はスタンドで見届けた。今でもその光景を鮮明に覚えている。「これは、人生をかけて目指すべきものだと感じた」


2004年秋、38年務めた阪口慶三・前監督(74)の後を継いで監督に。部員に説いたのは「自分流を作れ」。どう投げ、打つか。試行錯誤を重ね、自分に一番合った方法を見つける。成沢巧馬捕手は「指示待ちじゃなく、考えてやる。社会に出てからも役立つと言われている」。自主性を重んじる育成で、夏3度、春は4度目の甲子園に導いた。


昨年12月、腎移植の手術を受けた。選抜出場を決めた後の2月、2カ月ぶりにグラウンドで見た選手たちの成長に「甲子園に向けてきっちり練習するという、基本ができている」と手応えを感じた。


大会中、「平成最初」として注目され続ける重圧。それでも選手たちは臆せずに躍動、全5試合で先制し、頂点をつかんだ。


5度目の春の優勝は、全国単独最多だが、夏は未制覇。4日で60歳になり、「令和最初」の夏に挑む。「平成最後と令和最初を狙えるのはうちしかない」


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