(3日、選抜高校野球 東邦6―0習志野)
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落ち着き払った構えから、豪快なフルスイングが持ち味だ。
一回2死、フルカウントからの6球目。東邦・長屋陸渡は「ストライクは見逃さない」と、緩いカーブをとらえ、3点目の足がかりとなる中前安打に。八回には三塁走者の石川を悠々と生還させる右犠飛を放った。
強打が看板のチームで、2年夏まではベンチ入りできなかった。練習では石川、熊田らレベルの高い長距離打者の打ち方をひたすら観察した。時には助言を求め、理想のスイングを追究してきた。
「しっかりバットが振れる」と森田監督に評価され、6番を任された今大会。1回戦から安打を量産し、準決勝から5番に昇格。通算20打数9安打と打ちまくり、優勝に貢献した。勢いに乗って、この日は守備でも闘志を見せた。飛球を追ってカメラマン席に飛び込む。五回には横っ跳びでゴロをつかみ、連投の石川を助けた。
九回。ウィニングボールをミットの中で念入りに握りしめた。「東邦が成し遂げていない春夏連覇を達成しよう」。新たな目標を胸に、再びバットを振る日々が始まる。(高岡佐也子)