かつて甲子園で春の選抜大会を制した監督と、夏の全国選手権大会で準優勝を経験した監督が、それぞれ今春から愛知県内で指揮を執る。2人が指導するチームは14日、春の県優勝大会の2回戦で戦った。
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愛知黎明―愛知啓成。黎明の金城孝夫監督(65)は1999年の選抜で沖縄尚学を沖縄勢で春夏通じて初めての優勝に導き、昨夏まで長崎日大の監督だった。啓成の中村好治監督(65)は、2014年夏に三重高を率いて全国選手権の決勝まで進んでいる。
両校は尾張地区大会でも対戦し、その時は啓成が12―3(七回コールド)で勝っていた。当時就任前だった金城監督は、「選手がどういう心理状態で立ち向かうかを見たかった」。この日の試合では黎明が1点を追う六回、敵失を足場に2点を奪って3―2で逆転勝ち。「まだまだ戦う集団にはなっていないけれど、少ない失点で結果を出せた。選手たちの頑張りを褒めてあげたい」
地区大会からベンチに入っている中村監督も、まだ新天地で選手の性格などの把握に努めているところだ。この日は3投手を投入。「突然代えるとか、メンタル面も含めて選手がどう考えてやるのか見たかった。こういう緊張した試合だと余計に分かるから、今日はものすごく良かった」
長崎日大時代の07年夏には全国選手権で4強入りしている金城監督は、校名が愛知黎明になる前の弥富で監督を務めていたが、愛知から甲子園には出ておらず、「久々に戻った愛知で頑張っていきたい」。宮崎・日章学園を率いて02年夏に甲子園に出ている中村監督は愛知県で指導するのは初めてで、「校数も多いし、守備がしっかりしていないと勝てない。気が抜けないチームが多いけれど、うちも楽しみなチームです」。(上山浩也)