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「163キロ」大船渡・佐々木が特大弾 スカウトも驚き

高校野球で最速となる163キロをマークした佐々木朗希(ろうき)(3年)を擁する大船渡(岩手)が20日、宮城県内で仙台育英との練習試合に臨んだ。日米あわせて約20球団のスカウトが集まり、超高校級右腕の投球を見つめた。


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佐々木は今月上旬にあった高校日本代表の国際大会対策研修合宿の紅白戦で、自己最速を6キロ更新する163キロを計測。大谷翔平(エンゼルス)が花巻東(岩手)3年時にマークした高校生最速の160キロを上回った。


4番・投手で先発したこの日、まずはマウンドに上がる前に周囲を驚かせた。一回表、1死一、二塁で右打席に入ると、初球を豪快にはじき返した。打球は125メートルの中堅にそびえ立つバックスクリーンを直撃。先制の3点本塁打に、右手を握った。


投球は力よりも技だった。自慢の速球を少なめにして、カーブ、チェンジアップなどの変化球を多く投げた。制球にやや苦しみ、二回は3連続四球から招いたピンチで2点を失った。3回3分の2を投げ、球数75、被安打3、与四球4、奪三振5。球速はスカウトのスピードガンで150キロを計測した。


初めて投球を見たというオリックスの長村裕之球団本部長は、「余力を残しながら、変化球を課題にして投げていた。上背も柔軟性もあってスケールが大きい、非常に楽しみな投手」と話し、別の球団のスカウトは「仙台育英が相手ということで、岩手県内の強豪校を想定しながら投げていたと思う。夏の連投も見据えて準備をしているんでしょう」と語った。


仙台育英の須江航(わたる)監督も感心した様子。「どう打たせてとるかを考えて、自分で外野の守備位置も指示していた。みんなと一緒に成長し、チームを強くしていきたいという彼の心意気を感じた」


この練習試合の前、佐々木がブルペンに入っただけで、報道陣やスカウトの人だかりができた。周囲の騒ぎをよそに、最後の夏に向け準備を重ねている。(竹田竜世)


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