沖縄県は22日、米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古沿岸部への移設問題で、沖縄防衛局が翁長雄志知事による移設作業の停止指示を不服として申し立てた審査請求の却下を求める弁明書を林芳正農相に提出した。翁長氏は同日の記者会見で「速やかに請求が棄却されることを期待する」と述べた。
翁長氏は、沖縄防衛局が同じ政府機関である農林水産省に不服審査を申し立てたことは公平性が疑問視されると指摘。「請求自体が成立し得ない」と主張した。今後も「あらゆる手段で辺野古に基地を造らせない」と改めて強調した。
翁長氏は県が許可した区域外でサンゴ礁が壊された可能性が高いとして、3月23日に沖縄防衛局に作業停止を指示した。これを受けて沖縄防衛局は翁長氏の指示無効を求め、行政不服審査法に基づき関連法を所管する農林水産省に不服審査を申し立てた。農相は不服審査請求の裁決が出るまで知事の指示の効力を一時無効とした。
農相は沖縄防衛局からの反論を聞いたうえで、翁長氏の作業停止指示が妥当かどうか判断する。審理には今後1カ月程度かかるとみられる。