【NQNニューヨーク=大石祥代】29日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前日比15銭円安・ドル高の1ドル=118円95銭~119円05銭で取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)による米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明公表までは円買い・ドル売りが優勢だった。声明公表後はFRBが先行きの政策金利の引き上げを念頭に政策運営する姿勢は変わっていないとの受け止めが広がり、ドルの買い戻しが強まった。
午後発表のFOMC声明では冬場の米経済成長の減速など景気認識を下げつつも「一部は一時的な要因を映した」とした。市場では「FRBは利上げ時期などを含め金融政策の柔軟性を保とうとしている」との見方が出た。声明公表後は円売り・ドル買いが優勢となった。
米長期金利が上昇し、日米金利差の拡大を見込んだ円売り・ドル買いも出た。
声明公表までは円買い・ドル売りが優勢の地合いが続いた。朝方発表の1~3月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は市場予想を大きく下回った。米景気の先行きに慎重な見方が出て円を買ってドルを売る動きが目立った。
円の安値は1ドル=119円34銭、高値は118円60銭だった。
円は対ユーロで3日続落し、前日比1円95銭円安・ユーロ高の1ユーロ=132円40~50銭で終えた。一時は132円89銭と3月5日以来ほぼ1カ月半ぶりの円安・ユーロ高水準を付けた。ユーロが対ドルで上げ、円の対ユーロ相場でも円安・ユーロ高が進んだ。
ユーロは対ドルで5日続伸した。前日比0.0150ドル高い1ユーロ=1.1125~35ドルで終えた。一時1.1188ドルと3月3日以来ほぼ2カ月ぶりのユーロ高・ドル安水準を付けた。1~3月期の米GDP速報値が市場予想を大きく下回ったことでユーロ買い・ドル売りが膨らんだ。
ユーロの安値は1.0993ドルだった。
スウェーデンクローナは対ドルで上昇した。前日終値の1ドル=8.5クローナちょうど近辺から8.3クローナ台前半までドル安・クローナ高が進んだ。スウェーデン中銀は29日、主要政策金利をマイナス0.25%で据え置いたうえで量的金融緩和の規模を拡大すると発表した。市場参加者の間では政策金利をマイナス0.4%に下げるとの見方があったため、スウェーデンクローナ買いが入った。