【上海=小高航】中国湖北省の長江で456人乗りの客船が沈没した事故で3日、現場では夜を徹しての救出作業が続いた。1日夜の発生から40時間近くが経過したが、依然として400人以上の行方が分かっていない。当局は焦燥感を募らせるが、生存は難しいとの見方も強まっている。
中国新華社電などによると、これまでに18人の死亡が確認され、14人が救出された。人民解放軍などが主体となり、100人以上のダイバーが船内に残された人の救出を試みる一方、川下に流された旅客の捜索を続けている。
現場で陣頭指揮を執る李克強首相は「一分一秒を争い、一刻も休むな」と指示した。ただ、現場では時折強い雨が降っているほか、長江の早い水流もあり捜索は難航している。
川下の捜索範囲を150キロメートルから220キロメートル下流まで拡大するなど懸命の捜索活動にもかかわらず、2日深夜以降、新たな生存者の救出は伝わっていない。現場の気温は20度程度だが、船内は水に浸っているとみられ、大半の生存は困難との見方も広がっている。