中谷元・防衛相は16日、沖縄県名護市内で稲嶺進市長と会談した。懸案の米軍普天間基地(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設について「唯一の手段だ」と述べ、改めて理解を求めた。稲嶺氏は「県民の世論調査などからも、受け入れるのは困難だ」と述べ、協議は物別れに終わった。
防衛相が名護市を訪問し、市長と会談するのは民主党政権下の2011年10月以来。仲井真弘多前知事が辺野古の埋め立てを承認した13年12月以降では初めて。
防衛相は辺野古移設の作業を10日から全面的に中止していると報告。移設問題をめぐる政府と県の集中協議に関し「1カ月間、静かな環境の中で協議できる」と伝えた。
稲嶺氏は辺野古につくる普天間基地の代替施設について「相当、機能強化される。(基地の)負担軽減とはほど遠い」と懸念を表明。防衛相は「新基地の建設ではない。代替施設の機能は普天間基地に比して縮小される」と反論した。