【NQNニューヨーク=川内資子】23日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅ながら反落した。前日比10銭の円安・ドル高の1ドル=120円20~30銭で取引を終えた。新たな取引材料に欠き動意に乏しいなか、対ユーロでの円安につれて対ドルでも円売り・ドル買いが優勢となった。
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は24日にインフレと金融政策を主題に講演する。市場で米利上げ時期を巡る意見が分かれているなか、内容を見極めたいとして積極的な売買を控える参加者が多かった。
ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が23日に欧州議会で証言し、追加の金融緩和が必要かどうかを見極めるには時間が必要だとの認識を示したと伝わった。最近の世界経済の減速などを受けて、ドラギ総裁の景気に配慮した発言を期待していた市場参加者も多く、円やドルに対してユーロを買い戻す動きが広がった。円が対ユーロで大きく売られ、対ドルでの円売りにつながった。
一方で、円買い・ドル売りが勢いを増す場面もあった。世界経済の先行き不透明感を背景に、米株式相場が昼にかけて下げ幅を拡大。投資家が運用リスクを避けるとの見方から「低リスク通貨」とされる円には買いが増えた。
円の安値は120円55銭、高値は120円05銭だった。
円は対ユーロで4営業日ぶりに反落し、前日比80銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=134円45~55銭で取引を終えた。
ユーロはドルに対して4営業日ぶりに反発し、前日比0.0065ドル高い1ユーロ=1.1180~90ドルで終えた。ドラギECB総裁の議会証言を背景にしたユーロ買い・ドル売りが優勢だった。
ユーロの高値は1.1213ドル、安値は1.1115ドルだった。