【ニューヨーク=稲井創一】米航空大手の2015年7~9月期決算が23日までに出そろい、デルタ航空、ユナイテッド航空、アメリカン航空ともに前年同期比で減収増益となった。夏の旅客需要は好調だったが、ドル高の影響で国際線収入が目減りした。減収や従業員の給与増などのマイナスの影響を原油安効果が補い、増益を確保した。
23日発表のアメリカン航空の7~9月期決算によると、売上高が前年同期比3.9%減の約107億ドル(1兆2800億円)となった。22日に決算を発表したユナイテッド航空も2.4%の減収となった。各社ともに太平洋路線を中心にドル高の影響を受け国際線の運賃収入が減った。
収益の柱である米国内線は堅調だった。ただ、各社は輸送規模を積極的に拡大し、運賃単価の動向を示すイールドはアメリカン航空が10%減となるなど低下。競争が激しくなっていることがうかがえる。各社の積極的な競争姿勢の背景には、米司法省が運賃談合疑惑で米大手航空に対して調査に入った影響との見方もある。
3社の純利益は大幅に増加した。ユナイテッド航空は税関連の特殊要因の影響が大きかったものの、営業経費の3割強を占めていた燃料費が約4割減少したことが利益を押し上げている。