11日午前の東京外国為替市場で円相場は続伸した。12時時点は前日17時時点に比べ44銭円高・ドル安の1ドル=122円91~94銭だった。11時30分すぎに122円74銭近辺まで上げ幅を広げた。11日の日経平均株価が小幅に下落したのをきっかけに、ドルを売って「低リスク」の円を買い戻す動きが優勢になった。122円台後半では日本の外為証拠金(FX)投資家が戻り待ちの円売り注文を出しており、円の重荷になっている。
日銀の原田泰審議委員が11日の宇都宮市での講演で、足元の個人消費と生産に警戒感を示したが、外為相場に目立った反応はなかった。日銀の黒田東彦総裁は同日の参院予算委員会で「物価の基調は着実に改善している」などと述べたが、これも反応は限られている。9~12時の円の安値は1ドル=123円13銭近辺で値幅は39銭程度だった。
円はユーロに対しても続伸した。12時時点は前日17時時点に比べ49銭円高・ユーロ安の1ユーロ=132円21~24銭だった。対ドルの円買いにつられて131円台後半まで上昇した。その後は対ドルでのユーロの買い戻しに連動し円売り・ユーロ買いが出たため、円は伸び悩んでいる。
ユーロはドルに対して小幅に続落した。12時時点は同0.0003ドルユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.0755~58ドルだった。年内の米利上げ観測と欧州中央銀行(ECB)の追加緩和観測を背景にユーロ売り・ドル買いが先行した。午前の中ごろからは持ち高整理のユーロ買いが散発的に入り、ユーロは下げ幅を縮めた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕