囲碁界で史上初の七冠を達成した井山裕太名人=20日午後5時25分、東京都千代田区の日本棋院、越田省吾撮影
囲碁の井山裕太名人(26)=六冠=が20日、前人未到の七冠独占を決めた。名人、棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖の六冠に加え、最後の十段のタイトル奪取に成功。1976年に七大タイトル戦がそろった日本プロ碁界の歴史に金字塔を打ち立てた。
井山裕太名人
東京都千代田区の日本棋院で打たれた第54期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第4局で、挑戦者の井山名人は伊田篤史十段(22)に163手までで黒番中押し勝ち。3勝1敗でシリーズを制し、4期ぶり3度目の十段獲得を決めた。正式なタイトル移動は21日付となる。
生涯を通じて通算で七冠を制覇する「グランドスラム」でさえも、井山名人を含め、趙治勲二十五世本因坊(59)と張栩九段(36)の計3人しか達成していない。井山名人が六冠になるまで、複数のタイトルを同時に保持した記録は、09年、張九段の五冠が最多だった。