〈指し手〉先手・佐藤挑戦者 ▲7六歩△8四歩▲2六歩△3二金▲7八金△3四歩▲2五歩△8五歩▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△同飛▲3四飛△3三角▲3六飛△8四飛▲2六飛△2二銀▲8七歩△5二玉▲5八玉△7二銀▲3八金△9四歩▲4八銀△1四歩▲7七角△2三銀▲3六歩△2四飛▲2五歩△7四飛▲3五歩△6二玉▲3七桂△4四歩▲6八銀△7一玉▲6九玉△9五歩▲7九玉△8二玉▲5九銀右△8三銀▲8六歩△7二金▲8五歩△9四銀▲8六角△4三金▲7七桂△3二銀
広島県福山市の福寿会館で25日朝に始まった第74期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第4局は午後6時32分、挑戦者の佐藤天彦八段(28)が55手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各9時間のうち、佐藤挑戦者が4時間17分、羽生善治名人(45)が3時間44分を消費。26日午前9時に再開され、夜までに終局の見込み。
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佐藤挑戦者が2勝1敗とリードして迎えた第4局。戦型は第1、3局に続いて「横歩取り」になった。飛車や角が飛び交って激しい乱戦になりやすい戦型だが、本局は比較的穏やかな展開に進んだ。
午後に入り、互いにじっくりと玉を囲って陣形を整える中、挑戦者の▲8六歩~▲8五歩が機敏。後手の玉頭に迫るとともに、角と桂馬も繰り出して後手陣にプレッシャーをかけた。名人が働きの弱かった3二金と2三銀を中央へ寄せ、立て直しをめざしたところで封じ手となった。
解説の久保利明九段は「挑戦者の駒が前へ出て、働きがいい。伸び伸びと指している印象です。押さえ込まれないよう、当面は名人の我慢が続きそう」と話している。(深松真司)