米紙ワシントン・ポストは4日、オバマ大統領が核実験の禁止を求める国連安全保障理事会の決議案採択を目指す方針を決めたと報じた。米議会が抵抗し、包括的核実験禁止条約(CTBT)批准の見通しが立たないなか、同条約の採択から20年となる9月の採択を目指し、「核なき世界」への足がかりにする狙いがあるとみられる。
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同紙によると、モニツ・エネルギー省長官を含む政権幹部が今週、米議会の議員らに方針について説明を始めたという。
ただ、国家安全保障会議(NSC)のプライス報道官は同日、朝日新聞の取材に「(報道は)誤解を招く恐れがある」と指摘。「政権は法的拘束力のある核実験禁止を課す安保理決議案を提案してはいない」と関係国と具体的な調整には入っていないと強調した。
報道官は、米議会にCTBTを批准するよう引き続き促していく考えを示す一方、オバマ氏のプラハ演説の精神に基づき、核実験禁止を促すことが「米国や世界の安全保障上の利益になる」として、国連の場で働きかけを強めていく可能性をにじませた。
CTBTは20年前の9月に国…