新たに導入したビニール傘。大きなシンボルマークがついている=大阪市北区、広島敦史撮影
阪神電車の一部の駅で傘を置き、無料で乗降客に貸し出す「みんなの傘」。これまでは忘れ物の傘を再利用していたが、ほとんど返してもらえずになくなっていた。阪神電鉄は9月末から、目立つように大きな同社のシンボルマークをつけた新品の傘を導入した。果たして今度は返却されるようになるのか。
テツの広場
忘れ物の傘を使った「みんなの傘」は、急な雨で傘が必要になった人たちが借りていけるようにと、芦屋駅(兵庫県芦屋市)と西宮駅(同県西宮市)に設置。一定期間がたつと廃棄される忘れ物の再利用を昨年6月から始めた。傘の持ち手に阪神電車のハート形のシンボルマークを印刷したシールを貼り付けていた。傘立てには「使用後はこの場所にお返しください」と書いていたが、返す人はほとんどいなかったという。
当初は傘がなくなるたびに補充していたが、1カ月に100本ぐらいが持ち去られ、忘れ物の傘が足りなくなったことも。最近は営業課員2人が月に1回だけ運んでいた。担当の中出めぐみさん(27)は「晴天が続かない限り、残っているのはほぼゼロでした」。
シールをはがせば「みんなの傘…