封じ手を立会人の片岡聡九段(右)に手渡す井山裕太名人。中央は高尾紳路九段=26日午後5時36分、静岡県河津町、堀英治撮影
井山裕太名人(27)=棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖、十段をあわせ七冠=に高尾紳路九段(40)が挑戦する第41期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第6局は26日午前9時、静岡県河津町の旅館「今井荘」で始まり、午後5時34分、黒番の井山名人が69手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各8時間のうち消費時間は、井山名人が3時間32分、白番の高尾挑戦者が4時間2分。27日午前9時に再開する。
第6局タイムライン
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3勝2敗の挑戦者がシリーズを制すか、名人がタイに追いつくか。1日目は右下で激戦があり、攻防が収束して、手広い局面で2日目を迎えることになった。
名人の黒35が、相手に手を渡してから戦おうという強気の一着。検討陣は左下に注視したが、白36に名人が黒37から攻めに転じて右下で難解な攻防となった。
黒63からは盤面全体を考えながらの進行。解説の蘇耀国九段は「封じ手の選択肢の多い局面です。名人が手堅くヨセ勝負をめざすか、攻めながら得をはかるかに注目しています」と話した。(伊藤衆生)