競技での熱気球の動き
佐賀平野の秋の風物詩、カラフルな熱気球の群れが今年はひと味違う。世界トップレベルの気球乗りたちが集まってチャンピオンを決める世界選手権が19年ぶりに開かれているからだ。山場となる競技飛行は10月31日から11月6日まで。例年以上に熱い戦いが繰り広げられそうだ。
■日本選手「表彰台めざす」
世界選手権はほぼ2年ごとに世界各地で開催されるが、1980年から熱気球大会を開いてきた佐賀では97年以来3回目。大会の規模も競技のレベルも例年の佐賀インターナショナルバルーンフェスタとは違う。
今回出場するのは31の国・地域から計105機。国際航空連盟(FAI)加盟国からの推薦や、前回ブラジル大会の成績をもとに出場権を勝ち取った精鋭ぞろいだ。昨年のバルーンフェスタでは73機が競技に出場し、うち30機を日本勢が占めたが、今回日本から出場するのは、前回大会で優勝した栃木県の藤田雄大選手(29)や2015年日本ランキング3位で地元佐賀市の上田諭選手(29)ら高い技術を誇る7機だけ。開催国でも優遇されない真剣勝負の舞台だ。
多くの熱気球が空を漂う様子はおとぎ話の世界のようだが、競技飛行の現場は「空の頭脳戦」だ。パイロットは高さによる風向きの違いなどを考え、せわしなくバーナーをたくなどして機体を上下させ、ポジション争いも繰り広げる。上田選手は「表彰台をめざす」と気合十分。「気象予報士でも予測しきれない風を読んで気球を操作する。そこに奥深さを感じます」と魅力を語る。
競技飛行は7日間で計13回。…