天皇陛下の退位をめぐり政府が設けた「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」(座長=今井敬・経団連名誉会長)は、特例法を軸に今の天皇陛下に限って退位を可能とするよう政府に求める方針を固めた。年明けに公表する論点整理で方向性を示す。政府はこれを受けて特例法の課題の整理に入り、具体的な制度設計を進める考えだ。
特集:天皇陛下の生前退位めぐる議論
有識者会議は7日、首相官邸で6回目の会合を開き、専門家16人へのヒアリング結果をもとに論点整理の取りまとめに入った。有識者会議の関係者は朝日新聞の取材に「皇室典範を改正するには課題が多すぎる。会議のメンバーは特例法を推す方向だ」と語り、論点整理で特例法を軸とする方向性を打ち出す考えを示した。
退位を恒久的な制度とするため皇室典範の本格的な改正に手をつければ、論点が女性宮家の創設や女性・女系天皇の問題にも波及しかねず、法整備に数年を要する可能性がある。天皇陛下が82歳と高齢であることも踏まえ、有識者会議は今の天皇に限る特例法が望ましいと判断した。「皇位は皇室典範の定めるところにより継承する」と定める憲法2条との整合性を図り、皇室典範の付則に特例法に関する規定を置いた上で特例法を制定することも含めて検討する。
11月に3回にわたり行った専…