代替フロンを使わない商品棚。環境省は「ノンフロン冷媒」の普及を促している=東京都江東区
環境省は9日、エアコンや冷蔵庫の冷媒に使われ、地球温暖化に悪影響を及ぼす代替フロン、ハイドロフルオロカーボン(HFC)の回収率を初めて発表した。業務用の冷凍空調機器で、2015年度の推計回収率は22%だった。国の地球温暖化対策計画では20年に50%、30年に70%を目指しており、このままでは達成が難しい。
HFCは二酸化炭素(CO2)の数百~数千倍の温室効果がある。オゾン層を壊す特定フロンが規制されたことで、使用量が増えている。15年度に機器廃棄時に回収された量は約735トン。これに、スーパーや倉庫などに出回っているHFC使用機器の台数などから、回収されるべきHFCの回収率を推計した。
回収されなかったHFCは使用中に漏れたり、廃棄時に放出されたりして排出された可能性がある。HFCの機器廃棄時の回収は法律で義務化されており、経済産業省と協力して回収率を上げ、HFCを使わない自然冷媒の導入を促す。
毎年公表しているフロン類全体の回収率は15年度は約38%で、前年度比6ポイント増えた。廃棄時の回収量は全体で約3499トンだった。(小堀龍之)