トヨタ自動車が発売した小型SUV「C-HR」=名古屋市中村区
トヨタ自動車は14日、小型SUV(多目的スポーツ車)の「C―HR」を国内で売り出した。この分野は市場が広がっており、日産自動車のジュークやホンダのヴェゼルが若者からも人気を集めている。出遅れたトヨタは個性的なデザインを売りに、100ほどの国・地域で販売していく。
C―HRはコンパクト・ハイ・ライダーの頭文字。車高を155センチに抑え、大型のタイヤを備える。車体の前だけでなく後ろの部分にも傾斜をつけ、力強さと軽快さを強調した。基本構造の車台は、昨年発売した4代目プリウスと同じだ。
四輪駆動の1・2リットルターボエンジン車と1・8リットルのハイブリッド車(HV)を用意し、消費税込み251万~290万円。HVの燃費はガソリン1リットルあたり30・2キロという。
トヨタブランドの販売店4系列すべてで販売し、目標は月6千台。すでに2万9千台の受注があり、いま予約すると納車は来年3月中旬の見込み。開発を担った古場博之主査は「若者のニーズをつかみ、長くトヨタ車に乗ってくれるファンをつくりたい」と話す。
トヨタによると、2015年の国内の小型SUV市場は月約2万台で、5年前の2倍にあたる。海外でも大きく伸びている。(高橋諒子)