急きょ出場選手の変更を発表したRIZIN関係者。本番に向けた選手の体調管理も大会を左右する=22日午後6時31分、崔採寿撮影
大みそかのお茶の間を熱くした格闘技ブームよ、再び――。31日に、フジテレビ系が格闘技特番「RIZIN(ライジン)」を、TBS系がスポーツ特番「KYOKUGEN(キョクゲン)2016」を、それぞれ放送する。勢いのある女子格闘技を新たに加えたり、格闘技とともに他のスポーツ競技を組み合わせたりして、企画をリフレッシュし、ビッグイベントを盛り上げようとしている。
山本美憂、総合デビューは黒星 ツヨカワ女王に一本負け
総合格闘技ルールのRIZINは29、31の両日、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市)で開催される。
パンチ・キックに加え、寝技や関節技で相手をKOするルールで戦われる。試合は無差別級トーナメントと、対戦選手の体重を一定にしたスペシャルワンマッチの2種類で構成され、29日に計13試合、31日に計11試合がある。無差別トーナメントには、「K―1」で活躍したミルコ・クロコップ(42)や大相撲元大関のバルト(32)が出場する予定だ。
総合格闘技で最も知名度が高かった「PRIDE(プライド)」の流れをくむRIZIN。新たに始動したこの大会の大きな特徴は、女子格闘技を前面に打ち出した点にある。
スペシャルワンマッチ計15試合のうち、女子が5試合。メインに位置づけられている対戦もある。
今年9月に大会初挑戦を果たした女子レスリング元世界王者の山本美憂(42)や、山本と対戦して一本勝ちしたシュートボクシング世界女子フライ級王者の「ツヨカワ女王」ことRENA(25)の参戦をはじめ、吉田沙保里に善戦したこともある2012年レスリング女子55キロ級女王の村田夏南子(23)と、日本人女性として初めて、米国に拠点がある総合格闘技団体UFCの大会に出場した中井りん(30)の対戦も予定されている。
村田と中井はいずれも愛媛県出身で、幼い頃に同じ柔道の道場に通っていた後輩と先輩の間柄だ。
このほか、女子プロレスで名をはせた神取忍(52)と、ブラジル出身で186センチの巨漢ギャビ・ガルシア(31)との対戦が組まれていたが、神取が練習中に骨折したため、練習相手の堀田祐美子(49)の出場が12月22日に急きょ発表された。
大会実行委員会の榊原信行委員長は「女子格闘技への関心が高まっており、世界に通用するレベルの日本選手もいる。(ブームが低迷した)日本の格闘技界の可能性は、まだまだある。1対1の真剣勝負をもう一度、皆さんに見てもらいたい」と話す。
一方、KYOKUGEN2016は「スポーツ8大決戦」と銘打ち、K―1中量級スター選手だった魔裟斗と、PRIDEライト級王者だった五味隆典が打撃ルールで戦う「カリスマ対決」や、「三階級王者」の井岡一翔と、タイ人暫定王者が戦うWBA世界フライ級王座統一戦を軸に、テニスの錦織圭やサッカー日本代表の岡崎慎司らが出演して「極限のバトル」を披露する。
■民放各局の放送予定
RIZIN(フジ系)31日午後6時
KYOKUGEN2016(TBS系)31日午後6時
(崔採寿)