衆院予算委で、答弁するために挙手する文科省の前川喜平・前事務次官(右から2人目)。左隣は同省人事課OBの嶋貫和男氏=7日午前9時20分、岩下毅撮影
問題発覚から3週間。文部科学省の組織的「天下り」あっせん問題で、事務方トップだった前川喜平・前事務次官(62)と、仲介役だった人事課OBの嶋貫(しまぬき)和男氏(67)が国会の場に姿を現した。「責任を痛感する」。2人は淡々と謝罪したが、追及が続くと言葉に詰まる場面も目立った。
組織的あっせん「そのまま事実」 文科省前次官が謝罪
質疑が行われたのは衆院予算委員会の第1委員室。参考人席には、前川氏と嶋貫氏に加え、歴代の人事課長がずらりと並んだ。ひとりひとり答弁席に立つと、険しい表情で「深く反省」「心よりおわび」と繰り返した。なかには声を震わせて答弁する場面もあった。
内閣府の再就職等監視委員会から「組織的なあっせんの仲介役」と指摘された嶋貫氏は、問題が明らかになって初めて公の場に姿を見せた。
自民党の牧原秀樹議員の質問に対して、嶋貫氏は手元の紙に目を落としながら言葉を詰まらせがちに語り始めた。「このたび監視委から組織的というご指摘を受けるに至り、関わった者の一人として大変申し訳なく思っている」「人助けという思いで行ってきたが、認識不足を恥じてもいる。悔いてもいる」
嶋貫氏は徐々に口がなめらかになり、しっかりと言葉を区切りながら答えた。天下りを規制した改正国家公務員法の施行で、文科省内に戸惑いや不安があると察し、再就職の相談に乗るようになったと説明した。
だが、続いて質問に立った公明党の高木美智代議員に違法行為の認識などについて問われると、「軽率」「断腸の思い」と述べたが、言葉に詰まることが増えた。文科省の組織的な関与や人事課との具体的なやりとりの方法について聞かれると、「私なりに」「自律的に」と繰り返し、委員室からは「答えになっていないぞ」「ひどい役所だ」などと声が上がった。
民進党の小川淳也議員が、嶋貫…