フィリピンでのカジノリゾート開発をめぐる記事で名誉を傷つけられたとして、大手遊技機メーカー「ユニバーサルエンターテインメント」(本社・東京、UE社)が、朝日新聞社に1億円の損害賠償などを求めた訴訟の上告審で、朝日新聞社に33万円の支払いなどを命じた二審・東京高裁判決が確定した。最高裁第三小法廷(大橋正春裁判長)が、7日付の決定で双方の上告を退けた。
問題となったのは、2012年12月30日付の朝刊1面掲載の記事など、UE社のカジノ開発について書かれた記事5本。
15年12月の一審・東京地裁判決は、このうち4本について、真実とは認められない部分があるなどとして、朝日新聞社に330万円の支払いと記事のウェブサイトからの削除を命じた。
だが昨年6月の二審判決は、記事4本のうち、UE社がフィリピン高官に多額の接待をしたなどと報じた3本の記事は「重要な部分で真実」として一審判決を変更。残りの13年2月8日付朝刊1面掲載の1本の記事については、一部に「裏付け取材に不十分な点があった」と認め、賠償額を33万円に減額したうえでウェブサイトからの削除も命じた。
朝日新聞社広報部の話 本社の主張の一部が認められず、残念です。