六回2死満塁で慶大の清水翔が右翼席へ満塁本塁打を放つ
東京六大学春季リーグ戦の第8週1回戦の早慶戦が27日、東京・神宮球場であり、慶大が2本の満塁本塁打で8―5と逆転勝ち。6季ぶり35度目の優勝に王手をかけた。28日の2回戦で勝てば勝ち点4になり、同じ勝ち点4の立大を勝率で上回り、優勝となる。慶大が2回戦に敗れれば、立大の35季ぶり13度目の優勝が決まる。
六大学野球、慶大がV王手 満塁本塁打2本で早大下す
「おまえらが打てなきゃ勝てない」。慶大・大久保秀昭監督は春のキャンプから中軸を打つ4人に言ってきた。リーグ優勝へ1敗も許されない状況で、このうちの2人の左打者が、見事に期待に応えた。
まずは六回2死満塁で6番清水翔(4年、桐蔭学園)。カウント1―1から内角直球を振り抜き、右翼席への本塁打で先制した。自身早慶戦初安打が本塁打で「打って(ダイヤモンドを)回っている情景が脳裏に残っている」とはにかんだ。
直後の七回に5点を失い逆転されたが、あきらめない。その裏1死満塁で3番柳町(2年、慶応)に打席が回る。「前の打者からスライダーが多かった」。的を絞った。左腕早川(1年、木更津総合)の初球、その狙い球をすくい上げる。右翼ポール際へ逆転満塁本塁打が吸い込まれた。
監督から期待をかけられたキャンプ。柳町は、昨年の1・5倍となる1日約1千スイングをこなし、打球の鋭さが増したと実感。その成果を発揮した。「手応えは完璧です。うれしくてあんまり(打球は)見えていない。満塁本塁打? 多分打ったことがないんじゃないですか」
劇的な勝利で6季ぶりの優勝へ王手をかけた。(大坂尚子)