デンマーク訪問前の記者会見で、質問に答える皇太子さま=13日午後、東宮御所、代表撮影
天皇陛下の退位を実現する特例法成立後、初の記者会見に臨んだ皇太子さま。随所に次の天皇としての自覚や思いをにじませた。
皇太子さま、継承に言及 象徴天皇の務め「全身全霊で」
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今回は13年ぶりとなるデンマーク訪問を前にした会見。皇太子さまはまず、「お互いに影響を与えながら、その質を高めてきたことを改めて認識するとともに、今後の交流と友好親善の促進に貢献できれば」と抱負を述べた。「両国の特徴を生かし合った取り組みを今後さらに促進していくため一つのきっかけともなれば」との期待も示した。
次の天皇として、全身全霊で務めにあたると述べたが、具体的な取り組みについては慎重な姿勢だった。
記者から、戦没者慰霊や皇室の国際親善のあり方を問われ、「両陛下のお気持ちを大切にする」と述べたものの、陛下と同様に戦没者慰霊のために外国訪問を行うかどうかは「今の私の立場で申し上げることは差し控えたい」と踏み込んだ発言は避けた。
長期療養中の雅子さまは今回の訪問に同行しない。体調に波があることから「活動の場がすぐに広がるわけではない」とし、今後の外国訪問の見通しについても「現時点でお答えすることは難しい」と述べた。(多田晃子、島康彦)