力投する中日先発の小笠原=小川智撮影
(19日、中日10―2巨人)
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プロで自己最多の151球。最後の打者を直球で三ゴロに打ち取ると、中日の小笠原は左手とグラブをパチンと合わせた。高卒2年目で初完投勝利を挙げた19歳は、大粒の汗をしたたらせながら「(疲れは)吹っ飛びました」と喜んだ。
「常に苦しかった。フォームがバラバラだった」と本人が反省するように、満足のいく内容ではない。中盤までボール先行が多く、リードをもらった直後の四回は2者にストレートの四球を与えるなど1死一、三塁のピンチを招く。だが、そこで村田と長野を二飛と三ゴロで抑えた。「とにかく捕手のミットをめがけて腕を振ったのが一番だったと思う」と振り返った。
捕手の武山も「変化球が入らず、どうしようかと思っているときに直球でファウルが取れた」と思い切りの良さを評価。イニング間のキャッチボールで体の使い方など首脳陣の助言を試す小笠原の姿に、「必死になって修正しようというのが見えていた」と言う。
打線も、松井佑の2本塁打など大量点で援護した。森監督は「みんなが必死に打ったのが(四回の)1イニング8点につながった。小笠原を助けようというのが見えた」と話す。
七回を終えて123球だった小笠原は、ベンチで森監督に「(最後まで)行きます」と志願した。最後まで投げ、「一つの通過点。通らなければいけない道」と小笠原。今後、一皮むけた投球が期待できそうだ。(上山浩也)
○松井佑(中) プロ8年目で初の満塁アーチを含む2本塁打。「奇跡だと思います。『いけーっ』て叫んでました」
○ゲレーロ(中) 四回に今月3日以来となる34号アーチ。「しっかりとボールを捉えられた。久々にいい手応えだった」