聖光学院の好打者、3番の矢吹
高校野球の秋季地区大会は17日、東北大会の準決勝が福島市の県営あづま球場であり、聖光学院(福島1位)と花巻東(岩手1位)が決勝進出を決め、両校の来春の選抜大会出場が有力になった。聖光学院は能代松陽(秋田1位)を16―2で圧倒。花巻東は日大山形(山形3位)に6―4で競り勝った。18日の決勝で、いずれも初優勝をかけて戦う。
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聖光は今大会、打線が活発だ。「打撃の技術は例年よりも1ランク上」と斎藤監督。一回に今夏の全国選手権も経験した3番矢吹の安打など4安打で4得点。九回には6番星、4番五味に本塁打が飛び出すなど8得点を挙げ、計17安打で16点を奪った。
今夏は11年連続の甲子園出場を果たし、2勝を挙げた。新チームの始動が他校より遅れるのは、もはや「想定内」だろう。「公式戦を戦いながら経験を積み、雰囲気になじんでくれば、力があるチームだと思っていた」と監督が言う通り、今大会は初戦の2回戦で7点、準々決勝で15点、この日が16点と試合を重ねるごとに得点力が増している。
一方の花巻東もこの日、4番紺野が特大の左越え本塁打を放つなど、計13安打で長打も5本。各打者が最初のストライクから積極的に打ちにいく姿勢が光る。
2015年夏を最後に甲子園には出場しておらず、今の1、2年生はまだ甲子園を知らない。今夏は岩手大会3回戦で敗れ、「悔しさを晴らすために、選手同士で厳しい言葉をかけながらやってきた」と紺野。
持ち前の粘り強さは健在で、岩手県大会の2回戦から、7試合連続で3点差以内の接戦をものにして勝ち上がってきた。
東北大会の「常連」と言っていい2校だが、意外にも秋の優勝はない。「そこにこだわってやってきた」と斎藤監督が言えば、花巻東の佐々木監督も「選手には優勝旗を取ろうと言っている」。勝者は11月10日から始まる明治神宮大会に出場する。(山口史朗)