東京や大阪のクリニックで臍帯血(さいたいけつ)が国に無届けで移植されたとして、臍帯血を扱う会社社長や医師らが再生医療安全性確保法違反の罪で起訴された事件の公判が2日午前、松山地裁で始まった。臍帯血仲介会社「レクラン」(福岡市、閉鎖)元社長の井上美奈子被告(59)は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は懲役10カ月を求刑し、井上被告についてはこの日で結審した。
起訴されたのは計4人で井上被告のほか、臍帯血保管販売会社「ビー・ビー」(茨城県つくば市)社長で事件で中心的な役割をしたとされる篠崎庸雄被告(52)、表参道首藤クリニック(東京都渋谷区)院長の首藤紳介被告(40)、一般社団法人「さい帯血協会」(大阪市)理事の坪秀祐被告(60)。篠崎、坪両被告は横領罪などでも起訴されている。残る3被告の初公判は2日午後以降の予定。
臍帯血はへその緒や胎盤に含まれる血液。血液細胞の元になる幹細胞が多く含まれており、法律に基づく公的バンクが産婦から無償提供を受け、白血病の治療などに使われている。2014年にこの法律が施行され、15年11月以降は他人の細胞を移植する場合は国に治療計画を提出することが原則、必要になった。
今回の事件では、自分の子ども…