家宅捜索に来た福岡県警の捜査員に犬をかみ付かせてけがをさせたとして、県警は5日、指定暴力団道仁会系組員の小柳栄治容疑者(36)=福岡県久留米市=を重過失傷害の疑いで逮捕し、発表した。「この犬はかむぞ」などと言いながら捜査員らに近づいてきたという。小柳容疑者は容疑を否認している。
暴力団犯罪捜査課によると、小柳容疑者は2月27日午前10時半ごろ、久留米市の道仁会本家事務所の門前で、散歩させていたピットブル(オス7歳)が人に危害を加えることを防ぐ注意義務を怠り、同課の男性巡査長(38)の右足太ももにかみ付かせ、1週間のけがを負わせた疑いがある。
ピットブルは闘犬として知られている。飼い主は道仁会系幹部だが、事務所に住み込んでいた小柳容疑者が、この日の散歩当番だったとみられる。昨年11月13日の家宅捜索の時も、別の捜査員の太ももにかみ付いた。捜査関係者によると、組幹部の中にもかみ付かれた人物がいるという。
国内のブリーダーによると、ピットブルは、かむ力が強い特徴の一方、本来は飼い主に忠実で、愛情深い犬種という。「忠実さを利用して、人をかむようしつけられたとしたら、かわいそうだ」と話している。