「Do As Infinity」の伴都美子(左)と大渡亮=上田潤撮影
伴都美子(ボーカル)と大渡(おおわたり)亮(ギター)による2人組「Do As Infinity」が、3年ぶりのフルアルバム「ALIVE」で新たな境地を開いた。アニメやテレビドラマの音楽を手がけてきた劇伴作家の澤野弘之をサウンドプロデューサーに迎え、ストーリー性豊かな音楽を聴かせる。
澤野はアニメ「進撃の巨人」「機動戦士ガンダムユニコーン」や、テレビドラマ「医龍」で知られる気鋭の作家。昨年6月のシングル「Alive/Iron Hornet」からタッグを組むようになった。
始まりは「短編小説のようなプロットをもとに、サウンドトラックを書くイメージで曲を作ってはどうか」という制作スタッフの発案だった。劇伴作家の澤野を迎えるからこそのアイデアだが、「臆病でビビりで、石橋をたたいて壊すタイプ」という伴は、「プロジェクトの先に何があるんだろう、みたいな不安の方が大きかった」。
だが、「Iron Hornet」のデモ音源を聞いて考えがくつがえった。プロットに縛られず、シンプルに澤野の楽曲と向き合った時、「すごくワクワクしたのを覚えてる」と伴。大渡も「洋楽の要素をふんだんに取り込みながら、歌謡曲と違うテイストを死守する。そういう自分たちがやってきたことを進化させてくれる人」と手応えをつかんだ。
アルバムの全10曲を貫くのは「命」というテーマだ。大渡は「プロットに必ずしも沿ったものでなくても、虐げられて何かを勝ち取るとか、生きているからこそ頑張るとか、自然と一つの方向性にまとまっていった」と語る。
1999年のデビュー時は、作曲家の長尾大を中心とした3人組だった。「陽のあたる坂道」「遠くまで」などのヒットを飛ばしたが、約6年で解散。別々の活動を経て、2008年に2人組として再出発した。
「最近やっと、Do Asが自分のアイデンティティーだと思えるようになった。いろんな出会いや経験が今につながっている気がする」と伴。来年はデビューから20年を迎える。(岡田慶子)