四条大橋を渡る「100人着物」の参加者たち=2018年4月1日、京都市東山区、佐藤慈子撮影
世界中から観光客が集まる京都。着物姿で町歩きを楽しむ人たちが増えている。でもその多くは一日限りのレンタル品で、購入に結びつかず、和装産業は苦境が続く。自分で着物を着る憧れはあるものの「高そう」「上手に着ないと怒られそう」とためらう人も多い。着物のハードルを下げ、初心者にも着てもらおうと着物愛好家や京都府などの試みが始まっている。
京都・鴨川にかかる四条大橋に4月初旬、色とりどりの着物を着た約80人が集まった。京都市の着付け講師、加藤栄里さん(41)が大阪市の着物愛好家、大塚麻衣子さん(39)と企画したイベント「100人着物」の一コマだ。「着付けを習い、自分で着られるようになっても、行く所がない人は多い。出かける場、出会いの場を作りたい」と、SNSで呼びかけた。
2人は3年前から着物や和文化に関するイベントを仕掛けてきた。会場では、いろいろな着こなしをチェックできるほか、着物を安く買える場所などの情報交換もできる。参加者も「知ることで、着物が怖くなくなった」と、さらに着物への興味が増しているようだ。
「桐(きり)ダンスがないと着…