(28日、高校野球北大阪大会 大阪桐蔭6-4履正社)
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大阪桐蔭の山田健太君(3年)はベンチで焦っていた。八回、無死満塁のチャンスに空振り三振。マウンドで快投をみせる履正社の背番号9、浜内太陽君(3年)の投球データはない。「相手投手にペースを握られた」。その裏、履正社に逆転を許した。
九回二死まで追い詰められたとき、主将の中川卓也君(3年)はベンチで強い口調で言った。「こういう試合に勝てないと、優勝はできない」
気持ちが切り替わった。「チャンス、こい」。4連続四球で同点とし、さらに二死満塁で打席が巡ってきた。「また満塁で回してくれた。今度こそ自分のスイングをしよう」。2球目、高めの直球をしっかりとらえ、左前に2点適時打。今日はじめての安打が決勝打となった。
山田君は「大阪桐蔭の強さは、先輩から受け継いだ終盤の粘り。決勝も弱気にならず、集大成だと思って戦いたい」。厳しい戦いを制し、チームはさらにすごみを増した。(高橋大作)