(29日、高校野球東東京大会 二松学舎大付6―3小山台)
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二松学舎大付の連覇をたぐり寄せたのは、今大会の打率が8割に迫った野村昇大郎(2年)の一打だった。
1点のリードで迎えた七回1死二塁、野村が左打席へ。「先輩が犠打でつないでくれたので、必ず1点を取りたい」。初球の直球を振り抜くと、中堅への適時二塁打に。試合後、市原勝人監督が「大きかった」と振り返る貴重な1点が入った。
野村は大会前、「全く打てなかった」と振り返るほどの打撃不振だった。そんなとき、市原監督が「すり足打法で打ってみたらどうだ」と声を掛けた。野村は元々、右足を上げて打っていたが、タイミングが合わなかった。開会式後、試合が直前に迫る中でのフォーム変更。「中学時代にもすり足で打っていたから」と右足を上げないフォームで今大会に臨んだ。
その結果、チームトップの打率7割7分8厘。「こんなに打てるようになるとは不思議です」と野村。この日は、50メートル5・9秒の俊足を生かし、二回にセーフティーバントを決め、同点の足がかりを作ると、七回に適時打を放った直後には、自らの判断で三盗も決めた。「一つ先の塁を目指すのが自分の役割です」
2014年夏に初優勝した姿を見て、二松学舎大付に進学。昨夏は先輩たちが甲子園で活躍する姿をアルプススタンドから見守った。「甲子園は憧れの舞台だが、いつも通り、1点1点取る、粘りの野球を披露したい」(滝口信之)