(12日、高校野球西東京大会 秋留台6―5学芸大付)
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九回表1死二、三塁、1点差。二塁上の秋留台の主将塚田悠生(ゆうい)(3年)は仲間を信じた。「絶対に打ってくれる」。3番堀琉生(るい)(同)が期待に応え適時打を放ち、敵失も重なって逆転のホームを踏んだ。一緒にチームの変革を引っ張ってきた副主将砂山航洋(同)が本塁で迎えてくれた。
塚田は春以降、性格が変わった。「前は、優しすぎて周囲に強いことが言えなかった」(高橋基成監督)。今春の都大会でミスが重なり、明大中野八王子に0―7で大敗した。「これでは本番の夏は初戦敗退」との危機感から、あえて「鬼」になると決めた。
全力疾走しなかったり、大きな声を出さなかったりする選手をびしびし叱った。「あうんの呼吸」で主将の変化を感じた砂山らも厳しい姿勢をみせた。
この日は二回を終わって1―4。前ならこのまま崩れたが、選手同士で厳しく声をかけ合い、逆転につなげた。塚田も4安打と躍動し、内野ゴロを一塁へのヘッドスライディングで安打とした。その際に切れたベルトを仲間に交換してもらった時は笑顔だった。
「練習ではあえて厳しくするけど、試合中は笑っていたいから」。本来の性格は隠せなかった。