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「無理だけはするな」米大リーグの経験、球児の未来守る

作者:佚名  来源:本站原创   更新:2019-7-10 13:05:33  点击:  切换到繁體中文

 

校舎横のグラウンドでエースが、キャッチボールをしていた。前日の練習試合での投球を受けた軽い調整のはずが、セットポジションから投げ込んだ。


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「自分の体は自分にしかわからない。無理だけはするなよ」


八王子実践の監督河本(かわもと)ロバート(33)が見守りながら、後藤結人(ゆうと)(2年)に声をかけた。「フォームがしっくりこなくて」と返した後藤は約10球投げて、キャッチボールを終えた。


河本は今春の東京都大会後に監督に。過度な練習を求めず、体調を見極めながら練習計画を組む。国内外のプロ球団を渡り歩いた経験を生かして「けがをしない体づくり」を掲げる。


父が米国の元プロ野球選手で、母は日本人。日本で生まれ育った。八王子実践OBで、190センチ近い身長から140キロ中盤の直球を投げ込む本格派の右腕投手として2003年の西東京大会で8強入りした。大学野球を経て米大リーグ・ドジャースとマイナー契約を結ぶ。海を渡った先で、体調管理の考え方の違いに気づかされた。


練習のブルペンで投げ込むのは50~60球程度と無理をしない。代わりに、捕手役に座ってもらってキャッチボールをするなど「投手勘」がにぶらない工夫をする。試合でも事前に決めた投球数に達したら降板する。「日本では『最初から全力でいけるところまで投げ抜く』とのイメージがあったので、けがをしないための調整方法は参考になった」と振り返る。


振り返ると大学時代、投げ込みは多い日で200球以上で、肩やひじはすぐに悲鳴を上げた。「監督にアピールしたい」との思いから、疲労を明かさずに登板した。幸い大きなけがはなかったが、「『もう投げられない』と思うところまで追い込んでいた。危ない体験だったかもしれない」。


米国でメジャー昇格は果たせなかったが、日本のプロ野球独立リーグや台湾プロ野球などで経験を積んだ。15年末に引退して翌16年春に母校に戻り、コーチを3年間務めてきた。


投手陣に過度な投げ込みをさせない。「高校生はまだ成長段階。けがをしたら何の意味もない」。スクワットやベンチプレスなど筋トレや、練習前後の間食など体づくりに力を入れる。後藤は昨春の入学時から5キロ以上体重が増え、直球も1年間で時速15キロ以上速くなり、6月の練習試合で144キロを出した。


練習での投球数は30~50球ほど。その分、河本が撮った動画を参考にフォームを固めたり、試合の場面を想定しながら時間をかけて1球を投じる。後藤は「疲労がある時はすぐに相談にのってくれる。集中力を切らさず、安心して練習に取り組める」と感謝する。


試合での球数制限を巡っては、日本高校野球連盟が設けた有識者会議などが議論している。河本は「各校の事情は異なり、難しい問題。ただ、野球を長く続けたい子はたくさんいる。『今の価値』だけでなく、将来を見据えて考える時代がきたと思う」と語った。


=敬称略



101回目の全国高校野球選手権東・西東京大会が7月6日に始まる。時代とともに変わろうとする高校野球の姿を追った。(原田悠自)



 

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