(30日、高校野球北大阪大会 大阪桐蔭23―2大阪学院大) 地方大会をライブ中継中! 「バーチャル高校野球」で過去最多700試合 夏の甲子園、歴代最高の試合は? 投票ベストゲーム 地方大会の熱中症対策呼びかけ 朝日新聞社と日本高野連 一回に1点を奪われ、なおもピンチが続く。大阪学院大主将の岩波諒磨(いわなみりょうま、3年)はマウンドに集まった仲間に声をかけた。「大阪桐蔭はいいバッターがそろっている。思い切りいって打ち損じを狙おう」。試合は劣勢が続いたが、チームメートを鼓舞し続けた。 三回、連続安打で2死一、二塁の好機に打席が回ってきた。「打って試合の流れを変える」。試合前から相手投手の速球を狙うと決めていた。内角の直球を振り抜くと、打球は三遊間へ。「いい感触。抜けてくれ」。だがボールに飛びついた遊撃手に好捕された。 六回2死二、三塁のチャンスでは、打席に入った小松永実(えいじ、3年)にベンチから叫んだ。「真っすぐを狙え」。小松は初球の内角直球を振り抜くと、右越えの適時二塁打になった。「ナイスバッティング!」。笑顔があふれた。 成長し続けた3年間だった。入学時の体重は62キロだったが、1年冬から「筋トレ好きな岩(いわ、拓海〈たくみ、3年〉)君に誘われて」筋力トレーニングを開始。2年からは毎朝白米1・5キロを食べる「食トレ」も組み合わせ、体重は88キロに。体幹が強くなり、打球の飛距離も伸びた。今夏は初戦の満塁本塁打を含め3本塁打。「試合ごとにみんなが成長して打撃が良くなり、僕もいい場面で打てた」 椎江(しいえ)博監督は「岩波は『思いっきりいけ』と誰よりも声を出して、チームをよく引っ張ってくれた」とたたえた。岩波は「大阪桐蔭はシンプルに強かった。それでも『明るく楽しく』というチームカラーを最後まで貫けた」。試合後の表情は晴れやかだった。(島脇健史) |
大阪学院大「明るく楽しく、貫けた」 決勝で大敗しても
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