米電気自動車(EV)テスラ社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は7日、同社を非上場化する方向で検討していることを明らかにした。マスク氏はツイッターで「一株420ドルで、資金は確保した」としている。
マスク氏は従業員向けの手紙で「まだ最終的な決断はしていない」としながらも、非上場化によって長期的な目標に沿った決断ができることや、外からの批判を免れられるなど、非上場化の利点を挙げた。社員が株価の上下などに惑わされなければ、仕事に集中できるようになるとも述べた。マスク氏は同社の株の約20%を所有しており、この比率は今後も大きくは変わらない見込み、としている。
テスラは1日に発表した4~6月期決算で純損益が7億1750万ドル(約800億円)と、過去最大の赤字を出したばかり。収益の柱として期待した同社初の量産車「モデル3」の生産も遅れ、投資家の懸念材料になっている。
マスク氏はこれまでもテスラが倒産したなどとツイッターに冗談を投稿した過去がある。今回も、「非上場化を考えている」という突然のツイートに、しばらくは冗談ではないかとの観測もあった。(サンフランシスコ=宮地ゆう)