米アマゾンが、現在の本社のシアトル以外に、ニューヨークとワシントン郊外の2カ所に「第2本社」を置くとしていた構想に関し、ニューヨークについては地元の反対運動が激しく、設置の再検討に入ったと米ウォールストリート・ジャーナル紙などが8日、報じた。
同紙は関係者の話として、アマゾン幹部らが、ニューヨークに拠点を置く計画の再評価に入っていると報じた。アマゾンは8日、朝日新聞の取材に対し、「私たちは(ニューヨークで)どのような隣人になれるのかを懸命に証明しようとしている」と説明。再検討しているかについては言及しなかった。
アマゾンは昨年11月、約1年の選考を経て、第2本社の拠点の一つをニューヨークのロングアイランドシティー地区に置き、2万5千人を雇用すると発表。自治体側は計15億2500万ドルの優遇措置を提供することになっていた。これに対し地元住民や政治家から「優遇が大きすぎる」との反対論が高まっていた。
「再検討」については、アマゾンの創業者で最高経営責任者(CEO)でもあるジェフ・ベゾス氏が所有する米ワシントン・ポスト紙が、8日朝に最初に報道。その後、米主要メディアが相次いで報じた。(サンフランシスコ=尾形聡彦)