金足農(秋田)は、農業高校として初めて、全国高校野球選手権大会での決勝進出を果たした。農業系の学科を持つ学校が加盟する全国農業高校長協会も、金足農の躍進にわいている。
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20日に福岡県久留米市であった同協会九州支部大会。初日のこの日は、農業学習の実態などについて、校長らで話し合う予定だった。だが真っ先に話題に上がったのは「金足農の決勝進出」だったという。
同協会の調べによると、加盟校数が最も多かったのは、1959年度の541校。70年度には531校に減ったものの、生徒数は21万8894人だった。
だが、今年度の加盟校数は367校で、生徒数は8万8650人。48年間で、学校数は4割、生徒数は6割減っていた。
そんな中で、金足農が躍進。同協会の福島実理事長(59)は「農業高校生や卒業生に、大きな勇気と誇りを与えてくれた」とうれしそうに話す。秋田県勢として103年ぶりの決勝進出を決めた後、協会のウェブサイトにも「農業人の心を耕す、103年ぶりの快挙」と掲載した。
福島理事長は、群馬県立勢多農林高校長でもある。群馬県では、高校野球では前橋育英、健大高崎など、私立校が台頭。「公立高校、ましてや農業高校が甲子園に出るのは難しい」と福島理事長。でも県立校の金足農は、地元出身の選手だけで、決勝まで上り詰めた。「農業の実習に取り組み、部活も頑張っている。本当にすばらしい」と福島理事長はたたえた。(江向彩也夏)