金足農の選手たちは22日午前7時に起床。朝食で「控えめ」にパン3個とプリン2個を食べたエースの吉田輝星(こうせい)君(3年)は「こちらに来て、3キロ太っちゃったんで……」と苦笑い。
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甲子園の6試合で881球を投げた吉田君の食欲は旺盛だ。21日夜の夕食は豪華なバイキングだった。「カニ! 俺多分あれ全部食える」「すしあるの? 大好きなんだけど!」と興奮を抑え切れない様子だった。
県勢103年ぶりの決勝に進んだ選手たちには充実感があった。大きく点差をつけられた七回の攻撃時、球場に響く手拍子を聞いて涙が出たという主将の佐々木大夢(ひろむ)君(3年)は準優勝盾を手にし、「(重さで)手がつった」と笑顔も見せていた。
夕食中の選手たちは試合の話で盛り上がり、勝利のたびに作ってもらっていたケーキも登場。菅原天空(たく)君(3年)は「準優勝」とチョコレートで書かれた板の「準」の文字をナイフで消してにやり。
選手らは22日朝、2日の抽選会以来の制服に身を包んだ。荷造りを終え、ホテルのピアノを弾いたり、ホワイトボードにサインの練習をしたり。佐々木君は「学校に帰ったら、まずは『ありがとうございました』と言いたいです」。集まったファンに見送られながら、バスに乗り込んだ。
車内では、久米信彦部長(49)が「明日は始業式。持ち物は宿題」と予定を説明すると、選手たちからため息が漏れた。(神野勇人、野城千穂)