高校屈指の遊撃手――。そう呼ばれてきた小園海斗(報徳学園)の高校野球が終わった。2日に福井市の県営球場であった第73回国民体育大会の2回戦。浦和学院(埼玉)に3―4でサヨナラ負けを喫した。
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小園はこの日も、二つの“定位置”にいた。ひとつは、報徳の1番遊撃というポジション。もう一つは、普通のショートとは違う独特な守備位置だ。
小園の位置は深い。内野の土と外野の芝の境目よりも後ろに下がって陣取る。俊敏性と肩の強さが秀でていなければ、できない芸当だ。「もっと前を守れ」と指摘を受けたこともあるが、これまで自ら考え抜いて決めた位置だった。高校最後の試合でも、「自分の守備位置を貫きたかった」。飛んできた三つの遊ゴロに素早く反応し、軽やかにさばいた。
高校日本代表では、2年時から遊撃を任された。今夏のU18アジア選手権も不動のショートに。ただ、大事な試合で失策を重ねた。「あのミスを取り戻したかった」と国体に臨んだ。敗れたものの、「今日は攻めたプレー、最高のプレーができた」と言い切れた。
今後の進路は、「まだ考えている途中です」と語るにとどめた。だが、グラブに刺繡(ししゅう)で入れた目標は、どこに進んでも変わらない。「日本一のショート」。そこを目指して、小園は野球を続ける。(小俣勇貴)