(27日、高校野球近畿大会・ほっともっと神戸)
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大阪桐蔭で新たに背番号「1」を着けるのは、身長180センチの右腕・新井雅之(2年)。この日の1回戦で先発し、橿原(奈良)を5回被安打2に抑える好投を見せた。25日のプロ野球ドラフト会議で中日から1位指名を受けた根尾昂(3年)をはじめ、「最強世代」の背中を追う。
小学生の時、テレビで藤浪晋太郎(現阪神)らが春夏連覇するのを見てあこがれ、同校の門をたたいた。待ち受けていたのは「超高校級」の先輩たちの快進撃をはたから見る日々だった。「少しでも近づきたい」と、ブルペンでの投球練習時に隙を見つけては、根尾や柿木蓮(3年)らにアドバイスを求めた。
史上初の2度目の春夏連覇を達成した後も、「先輩たちは、相変わらずブルペンですごい球を投げている」という。秋の府予選は背番号「9」だったが、近畿大会で「1」をつかんだ。大会前、根尾からマウンドで冷静になるための心構えの極意を授かった。「自分が1番を着けているんだぞと思って、打者を上回った気持ちでいけ」
迎えたこの日。球場へ向かうバスの中では、決して眠ることはなかった根尾を見習い、「僕も寝ませんでした」。マウンドでは「気持ちが空回りした」と高めに球が浮いたが、「ホームベースにたたきつけるくらい低めを意識した。野手も声をかけ続けて励ましてくれた」と大崩れすることはなく無失点に抑えた。
最速136キロだった球速も137キロに更新。試合後は「根尾さんのように、どんなときも自分を見失わない選手になりたい」と気合を入れ直した。(高岡佐也子)