米国とトルコの対立が深まっている問題で、米トランプ政権は10日、トルコ産鉄鋼・アルミに対する追加関税を2倍に引き上げると明らかにした。これを受けてトルコ通貨リラの下落に拍車がかかり、前日比で2割安までリラが売られた。トルコ経済危機への警戒感から米株安が進むなど、金融市場を揺るがしている。
米国人牧師がトルコで長期拘束されている問題などを受け、両国関係は急速に悪化していた。トランプ米大統領は10日朝、トルコの鉄鋼・アルミへの追加関税を2倍に引き上げ、それぞれ50%と20%にするとツイッターで表明。最近の急速なリラ安を理由に挙げたうえで、「トルコとの関係はいま良くない」と断じた。その後、米ホワイトハウスは関税引き上げを13日に実施すると正式発表した。
米政権の強硬姿勢を受け、10日のニューヨーク外国為替市場では、リラ相場がさらに下げ足を速めた。一時、前日比2割安となる1ドル=6・8リラ台をつけた。年初比では4割超の下落。リスク回避の思惑から、アルゼンチンペソなど他の新興国通貨も軒並み売られた。
一方、相対的に安全資産と見な…