週明け19日のニューヨーク株式市場は、米アップルの業績見通しに不透明感が増したことなどを受け、大企業でつくるダウ工業株平均が大幅反落した。前週末比395・78ドル(1・56%)安い2万5017・44ドルで取引を終えた。ダウ平均の下げ幅は一時、512ドルに達した。
ハイテク株中心のナスダック市場の総合指数も急落し、同219・39ポイント(3・03%)低い7028・48で取引を終えた。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは19日、9月に発表された新型iPhone(アイフォーン)の廉価版「XR(テンアール)」など3機種について、アップルが発注を減らしていると報道。販売不振への懸念が強まり、アップル株は4・0%安に沈んだ。
2016年の米大統領選へのロシア介入問題をめぐり、不祥事が次々報じられているフェイスブック株も5・7%の急落。アマゾンやマイクロソフトなど、米株式相場を引っ張ってきた主力のIT関連株が軒並み大幅下落した。
米中貿易摩擦への警戒感も相場の重しになった。パプアニューギニアで18日まで開かれていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)は、米中対立から首脳宣言の採択を断念。ペンス米副大統領が「中国が手法を改めるまで関税を課す方針は変えない」と発言したとも伝わり、対立緩和への期待が後退した。中国ビジネスの比重が大きい建機キャタピラーや航空機ボーイングが大きく売られた。(ニューヨーク=江渕崇)