九州北部豪雨から1年半となった5日、33人が亡くなった福岡県朝倉市の応急仮設住宅林田団地で、被災者が手打ちしたそばを入居者たちに振る舞い、親睦を深めた。犠牲者への黙禱(もくとう)も捧げた。
鬼火焚き、7メートルのやぐらに炎 九州北部豪雨1年半
被災して朝倉市内の新居で暮らす小城和正さん(74)ら2人が「師匠」役を務め、団地自治会副会長の小嶋喜治さん(63)ら約10人の被災者とそばを打った。団地には47世帯100人が暮らす。妻と2人暮らしの矢野延孝さん(72)は「わいわい言いながら皆で食べるのは楽しい。そばはコシが強く、おいしかった」と相好を崩した。
自治会副会長の柿農家小江達夫さん(58)は「1年半はあっという間だった。団地内に親しい人もできたが、(国が定めた入居期限が来るので)夏までにはここも出なければ」と表情を曇らせた。
豪雨では福岡、大分両県で40人が亡くなった。福岡県によると、4日時点で朝倉市と東峰村の計354世帯850人が仮設住宅やみなし仮設で暮らす。(徳山徹)