九州南部は活発化した梅雨前線が停滞し、30日夜から1日朝にかけて各地で大雨に見舞われた。鹿児島県いちき串木野市では約2900世帯約6千人に避難指示が出され、県内の約38万8千世帯・約82万9千人に避難勧告が出た。宮崎、熊本県内の自治体も避難勧告を相次いで発令した。各地で河川の増水や土砂崩れが起きた。
気象庁によると、28日夜の降り始めから1日午前11時までの総雨量は、宮崎県えびの市末永で682・5ミリ、鹿児島県薩摩川内市入来町で536・5ミリに達した。1日午前10時現在、宮崎県の約9万3千世帯・19万4千人にも避難勧告が出ている。
鹿児島市によると、1日午前7時20分ごろ、鹿児島市本城町の崖が崩れ、土砂が近くの平屋の住宅に流入。3人暮らしの住人のうち70代女性が土砂に埋まったが、消防によって間もなく救出され、病院に搬送された。
JR九州によると、1日朝に鹿児島県内の雨量計が規制値に達したため、九州新幹線の熊本―鹿児島中央間で始発から運転を一時見合わせていたが、午前9時前に再開した。また、高速道路も大雨のため、熊本、宮崎、鹿児島県内の複数の区間で通行止めになった。
気象庁によると、梅雨前線は4日ごろにかけて九州付近に停滞する見込み。暖かく湿った空気の流れ込みも続くため、局地的に非常に激しく降ったり、大雨が続いたりするおそれがあるとして警戒を呼びかけている。