台風の「逆襲」――。気象学が専門で台風を研究する横浜国立大の筆保弘徳(ふでやすひろのり)准教授は、被害が相次ぐ近年の状況をこう表現する。
地盤沈下に悩んできた関空 想定外の冠水・タンカー衝突
昨夏の猛暑、温暖化なければ発生せず? 気象庁など分析
昨年は風水害が相次いだ。梅雨末期に起きた西日本豪雨は日本海を北上した台風7号が関係していた。9月に上陸した台風21号では、大阪湾で関西空港が孤立するなど、高潮や強風による被害が広がった。
3年前の台風10号は、珍しく東北地方の太平洋岸から上陸して岩手県や北海道で犠牲者が出た。2013年の伊豆大島の土砂災害、11年の紀伊半島大水害も台風がもたらした。
「これまでにない降り方が増えている。コンピューターでは再現できても、我々の頭も現実に追いついていない状態」と筆保さんは言う。
終戦から間もないころは、死者…