日本高校野球連盟は20日、大阪市内で理事会を開き、新潟県高野連が投手の故障予防などを目的に今春の県大会で投手の投球数制限の導入を決めたことについて議論した。その結果、「投手の障害予防に関する有識者会議」を4月に立ち上げ、1年後をめどに具体策をまとめることを決めた。
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新潟県高野連が今年の春季県大会で1試合につき1人100球の制限を導入することについては、再考を申し入れると決めた。日本高野連は、部員数20人以下の学校が全体の4分の1を占めるなか、複数の投手が必要になる投球数制限に踏み込むことには慎重であるべきことや、勝敗に影響する規則については全国で足並みをそろえて検討すべきであることなどを理由に挙げた。
理事会後に記者会見した日本高野連の竹中雅彦事務局長は、「避けて通れない課題に一石を投じてくれた新潟の方向性に賛意は出たが、多角的に検討していく必要がある」と話した。今後、有識者会議にはメンバーとして新潟県高野連にも参加を依頼しているほか、医師や弁護士など第三者を入れて、投球数制限に限らず練習、公式戦のあり方などを幅広く議論していくという。
春季県大会の主催権は各都道府県高野連にある。新潟県高野連の杵鞭(きねむち)義孝専務理事は20日夕、報道陣に「日本高野連からの正式な文書が手元に届いてから、組織としてきちっと対応を決めていきたい」と話した。春季県大会は4月27日に開幕予定で、「当然、春の大会へ向けてのそれぞれの準備があるので、それに間に合うようにしたい」とし、今後、県高野連として対応を検討していくという。